ネタ被り(n番煎じ)は怖い、それでもやってみたいこと 【013】頭のいい人同士の対談は、わかりそうでよくわからない の紹介と裏話!
動画の中のセリフに深い意味は何にもありません。
頭の悪い私には、頭のいい人の対談ってこんな風に聞こえるんです。
13作目は、非常にシンプルです。
なにも捻っていないし感じたままを動画にしたんですが割と気に入ってます。
この動画、「作者が見つけた“ありがちなこと”を切り取って共感してもらう」、いわゆる「あるあるネタ」です。
あるあるネタは、作りやすい反面「ネタ被り」の可能性が高いです。
そして「ネタ被り」するかもしれない作品を作るのは、私にとって非常に怖いことです。
「ネタ被り」とは
「ネタ被り」とは、ニコニコ大百科によるとこういうことです。
制作、構想していたネタを、偶然他の人間が先に発表してしまう事。パクリやパロディと違い、全くの偶然である。
ネタ被りとは (ネタカブリとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
私は一応、企画書を書くときに「同じものが既にないか」ざっと検索するのですが、世に企画はごまんとある中、私がぱっと思いついた検索ワードに引っかからないものだってたくさんあるでしょう。
まぁそれでも、「思いつく検索ワードに引っかからない程度」のオリジナリティがあればアイディアを企画書に進めます。
「パクリ疑惑をかけられるのが恐ろしい」「先方に不快感を与えたくない」などの理由ももちろんありますが、そのほかにも理由があるのです。
「n番煎じしたくない」と言う理由です。
「n番煎じ」とは
「二番煎じの二番以降で、もはや何番目かもわからないもの」と捉えていただければいいかと思います。
要するに「ベッタベタだけど需要のあるもの」ですね。
正直に言いますが、私は人の作品を見る上ではこの「ベッタベタ」、
大・好・物 です!
もちろん捻ったオリジナリティのあるものも大好きなのですが、ベタなものがベタになるって事は、それだけ人が惹かれる何かがあるって事なんですよね。
ちなみに昔、「くりぃむしちゅーのたりらリラ~ン」と言う番組でベタなシーンや展開だけを集めて作った「ベタドラマ」なるものがありまして、私はそれも大好きだったのでDVD2本とも持ってます。*1
じゃあどうして自分のn番煎じは怖いのか
好きならやればいいじゃん、とはいつも私が言っていることでもありますが、私は好き以上に「n番煎じ」が怖いのです。
なぜなのか?
それは、「同じことをやった人たちと並べられたら選んでもらえる自信がないから」です。
自分でも「お前は自信があるのかないのかどっちなんだよ!」と思いますが、「作品自体の作りこみのクオリティ」で言えばまったく自信はないです。
ネットニュースやまとめで見たり、ツイッターのRTで回ってくる作品たちって、もう信じられないほどクオリティが高くて、丁寧で、繊細で、って作品ばかりじゃないですか。
「n番煎じ」「ベタ」は、そういう人たちと直接比べられるきっかけになる。
もし偶然同じテーマを選んでしまったら。
「そんなもんわざわざ私の作品を選ぶ理由がないだろう」と私は思っています。
実際に見る側に回ったら「同じテーマでも作品は同じじゃないし、作者ごとに出る味が違っておもしろい」と思えるし、「気にせずどんどん書いて欲しい! 私はあなたの作品が見たい!」と思うんですよ。
でも自分のことになるとそうは思えない。
私の動画は絵も雑なことが多いし、音楽は高クオリティだけど借り物だからここでしか聴けないものではない。動画演出も全く凝っていない。お洒落なんてとんでもない。見て感動もしない。
私の動画の売りはやっぱり「私の好きな要素を集めて煮詰めたこだわり」でありそれが世に言う「オリジナリティ」だと思うんです。
売りのない作品を公開するのは怖い。
それを見て私の作品全体を「つまらない」と言われるのは恐ろしい*2。
そういう気持ちが、冒頭の「ネタ被りが怖い」に繋がってくるのです。
それでも「気になる」この思い
そして、今回の動画は「あるあるネタ」。切り口に個性が出るものの、ネタ被りしやすいジャンルです。
ただタイトルにもなっている「頭のいい人同士の対談は、わかりそうでよくわからない」という感覚が、ネタ被りの怖さ以上に「気になった」ので、この形の動画になりました。
この「気になる」っていうの、当たり前ですけど創作する上ですごく大切だと思います。
それについては考えがまとまったらまた記事にしたいと思います。
自分のこだわり(「ネタ被り」しないように気をつける)を気にせず作ったのに後悔していないこの動画は、私の中で珍しい存在です。
ネタ被りに限らずこだわりきれなかった動画は今のところ少なからず後悔と反省をしています。この辺です。
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これらの動画と今回の動画の何が違うのか、考えていくといろいろ面白いことがわかるかもしれません。
それが何なのか今はまだはっきりわかりませんが、今回のような「こだわってないのに気に入っている作品」にはきっとこれからの活動の大きなヒントが隠されていると思います。
私の中でそれが腑に落ちたとき、作風が「一皮向ける」ような気がしています。