わごかせ宝探しの旅

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妄想できる人ほど楽しめる動画(一次創作)作ってます。想像力溢れるあなたにエンタメを。

【創作】「日本語で文章が書ける」と「小説が書ける」は全然違うんだなぁ 途中経過 番外編

私は今、無謀にも初めての同人誌でゲームブックを作ろうとしています。

wagokase.hatenablog.com

タイトルに「小説」と書きましたが、ゲームブックの文章の書き方と小説の文章の書き方は同じではないと思います(小説にもいろいろありますが)。
以降、便宜上今私が書いているものに対しても「小説」という言葉で表現させていただきますが、ご了承ください。

 

動画制作と小説執筆

私は元々、動画制作をメインに創作活動をしています。
まぁ楽しいことは何でもやりたいのでいろいろ手を出した結果が今回のゲームブックなんですけどね。
はじめは「創作活動自体は始めて長いから、小説も書けるんじゃないかな」くらいの気持ちでいました。

お恥ずかしい……!

記事のタイトルでもう書いてますが、全然違うんです! 少なくとも私は、こんなに書けないものなの、と愕然としました。
何が違うかと言うと……、

動画は「短く刺激する」

もちろん動画にも小説にもいろいろありますから、あくまで私が作っている動画と書くとしている小説に寄せた話になってしまいますが。
私は基本的に、今まで「短い動画」を作ってきました。長いもので12分の動画がありますが、ほとんどは5分以内、3分前後です。
これは動画を見る人の層だとか、通信料などの負担だとかを考慮した結果であり、また「私が作れる(ネタを持たせられる)長さの限界」みたいな話でもあります。
そうなのです。「長いこと他人に付き合ってもらうために気を惹き続ける」のは至難の業なのです!

それから逃げずに、真っ向勝負していかなければならないのが小説です。
小説は、挿絵や表紙などもありますが基本的に言葉だけで伝える表現方法です。
私は動画を作るときに、よく「この部分は各々で補完してね」と表現を省略するのですが、それにはメリットもデメリットもあります。
「動画を短くするため」などももちろんなのですが、私がこの方法を使うメリットとして「見る人の想像の違いで印象が全く変わるのが面白い」といった、実験的な意味合いが大きいです。
そしてそのデメリットとして、「補完してもらう部分に(無意識にでも)汎用イメージを当てはめられる可能性が高く、その場合全体の表現が陳腐になる」ことや「表現を端折った部分が全く違う伝わり方をしても文句が言えない」などがあります。

これらのデメリットは小説では致命的だと私は考えます。

小説は「丁寧に伝える」

小説にわかの私が勝手に感じていることなのですが、小説は「作者の想像の世界や人物を、作者の体験や感じたことに当てはめて分析し、それを読者に正しく伝わるように翻訳・解説したもの」だと思っています。
作者の脳内を読者に伝えるには、いくつもの工程を経て丁寧に表現を選ばなくてはなりません。
その「表現の正しさ=文章だけでよりリアルに脳内を再現する丁寧で的確な仕事」に徹底した方法が、小説なのではないかと思うのです。

「丁寧な仕事」って難しい!

私は今まで動画を作るときにも、とにかく感じたことをその勢いのままに伝えたい、鉄は熱いうちに打ちたい、という気持ちで短期間で仕上げていました。
創作をしている方ならお分かりかと思いますが、一つのネタを長いことかけて作品に仕上げていると、途中で「これってどこが面白いの?」という感覚に襲われることがよくあります。慣れから来るんでしょうかね?
私はそれがくると、「面白くするためにどこにこだわっていいかわからなくなる病」が発症して迷走してしまい、結果ごちゃごちゃ要らない表現を付け加えたりして大失敗、というパターンになることが多いです。
それを克服する方法がうまく見つからず、結果私は「こだわりがはっきりしているうちに仕上げてしまう」という手法を取っていました。

でもそれが小説となったら、そこから逃げてはいられないのです。
「正しく伝える」ためには時間がかかる。そして一つひとつの工程に、表現に向き合って、丁寧に解剖していかなければいけないのです。

こりゃー私向いてないわ……!

向いてないけどやりたい

そんなこと言ったってやりたいんだからしょうがないじゃないか!

ということで、現在ちまちま小説を書いているわけなんですが。
プロなら10ページ以上かけて躍動感や情緒をしっかり魅せるであろうシーンが、私が書くと10行で終わってしまう!
長い=良いということではありませんが、この場合このシーンは正しく伝えればこんなに短く済むはずがない内容なのです。なんてこった。
特に小説って、分厚~い、長い話を読んでいるときの「こいつとの長い付き合い」みたいな、没入して記憶を擬似的に共有した一体感みたいなのが「小説でしか味わえない魅力」だと思うんですよ*1
せっかく小説を書くのなら、そんな体験ができるものが書けたら最高じゃないですか。
10ページで伝わる感覚を10行で表したら、それはもう小説じゃないですよね。
特に今私が書いているのは、夢の中の世界の話。私が感じている、想像している夢の世界はきちんと書かないと相手には絶対に伝わりません。
読者に付き合ってもらうために惹き付けつつ、テンポが悪くならないように気をつけながら、正しく想像の世界を伝える。

「日本語で文章が書けるんだから小説だって書けるだろ」と思っている人は、全然レベルが違うからやめたほうがいい。
いや、むしろ実際に書いてみて絶望した方がいいのかもしれない。

そうやって絶望した私が今ここにいるわけですが、やっぱりどうしても書きたいものがあるので頑張ります。

いつか実現するといいなぁ(挨拶)。

*1:もちろん短編小説も良いものですが。